(RaTchラップタイムランキングの趣旨)
2002年1月8日(2007年7月 加筆)
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そろそろ「今年の目標」とか「新たな決意」のように、ポジティブな発想を持ちたいですね。私の場合には、正月恒例の箱根駅伝を見ることで自らの目的意識とかモチベーションを保ちます。僅か20チーム200人のランナーだけしか走らないですが、その選ばれたランナー達が舞台に立つまでには、数多くのライバル達が涙を流しています。
それでも150人全員が注目される訳ではなく、スター選手の影に隠れて存在を全く認知されないランナーもいて、また当日になって体調を崩して出走出来ないランナー、補欠や要員として縁の下にいるランナーも数多くいるのです。ただし全てのランナーには「襷(たすき)をつなぐ」という共通で純粋な目的があり、それは勝敗や表舞台に立つ事とは別の次元にある意識と思います。
私はサーキット走行を機会ある毎にマラソンに例えます。オリンピックで金メダルを獲得する高橋尚子でも、毎朝歩くようなスピードで1kmを走っているオバちゃんでも、走りきる目的は共通だからですね。個々に目的や目標があればスポーツや趣味として成り立つのですから、勝敗や優劣を争う必要はありません。
ラップタイムランキングは、雑誌連載開始から数えて14年間のデータを蓄積してきたものです。信ぴょう性や管理上の問題で公開していないデータも含めれば膨大な量にのぼります。
クルマの性能、タイヤの性能、ドライバーの経験などが大きく異なりますから、古いデータが役に立たないのは事実です。それでも積み上げてきたデータがあるからこそ、今がある事を理解する必要があります。文化や伝統とはそういうものです。
スポーツ記録が毎年更新されてゆくのは、選手の身体能力向上に加えて、道具や練習方法の進化に基づくものです。サーキットのラップタイムも全く同じです。ただし他のスポーツと比べて道具の占める割合が大きいが故に、名ばかりのスポーツとなっている側面もあります。
その点でマラソンは、五体満足なら誰にでも出来る点で非常に例えやすい訳ですね。年式も車種も全く同じクルマでも、最新のSタイヤを履いた500馬力のクルマのラップタイムとノーマル車のラップタイムが違うのは当たり前です。同じ生年月日・身長・性別・体重の人間でもマラソン選手と普通の人では違うのと何ら変わりありません。
異なるのは、普通の人間がマラソン選手になるには大変な努力が必要なのに対し、ノーマル車を改造するには経済力があれば済む点(文化や伝統に裏付けられる技術を買う事が出来る)にあります。経済力を持っているのは必ずしも努力した人ではないですが、マラソン選手に努力しなかった人はいません。別にマラソンでなくともスプリントでも例えになりそうですが、クルマには常識的に耐久性が求められるものです。
話を戻しましょう。箱根駅伝の運営を支える人達、沿道やテレビで応援する人達、そうした多くの人達の力が選手達を支え、数多くのドラマを生み、多くの人達を感動させます。そこで選手達の努力は実を結ぶ訳です。私がラップタイムランキングをはじめた理由は、多くのサーキットドライバーの目標となり、努力の結果を公に残したかったからです。
多くサーキットスタッフ、走行会スタッフに支えられて、サーキットドライバー達が自らの目標に到達できればと願いました。ランキングなので順位は付きますが、日時や個々のクルマや仕様が異なれば参考にしかなりません。ドライバーやクルマの優劣を比較するものではないのです。それでも個々の目標として考えれば、努力の成果として実を結ぶでしょう。200位から97位にランクアップした自分をPCやオプション2の誌面で見ながら、ひとりニヤっとすればいいのです。
一方でショップやガレージ、パーツメーカーが技術力の成果として限界タイムに挑むことには別の意味での目的があり、それを「襷をつなぐ事」として例えます。文化や伝統を継承すること、技術開発した事をユーザーにフィードバックする事の例えです。決して勝敗としては例えません。誰にでも乗り易いとか、耐久性に優れるとか、リーズナブルであるとか、目的は様々あるからです。
ですから多くのフツーのサーキットランナーの皆さんには、目的を見失うことなくドライビングテクニックを磨いていただいたり、技術開発の成果を享受いただければと思います。昨年からスタートしたオプション2アタック王を加えた新たな目標は、ラップタイムランキングを今まで以上にサーキットドライバー個々の指標として結実させること、当サイトを通じて多くのサーキットドライバーの皆さんが仲間意識を持って下さること、そして頑張るサーキットドライバーの皆さんを暖かく見守る人達をもっともっと多くしてゆくことです。
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