99年3月 鈴鹿サーキットGT合同テスト(Dr.ドラキン)
モータースポーツの成る木
Driving Technic 皆伝
ドライビングテクニックの意味するところは、運転技術と運転能力。前者はクルマを手足のごとく操る様々なノウハウ、後者はクルマのコンディションを掌る事とクルマを走らせる上での瞬時の状況判断力を意味する。その能力を最も生かすことの出来る場所は、クルマの限界性能を引き出せるサーキットであることに異論はないだろう。ではクルマの限界性能を必要としないストリートならば、ドライビングテクニックにも限界能力を必要としないことは自明の理。ただしクルマを走らせる環境という点で、一般的にはサーキットとストリートを一緒に考えることはできない。
20世紀最後の10年間は、サーキットが「レースやテストをする場所」から「スポーツドライビングを楽しむ場所」へと徐々に変わり、サーキットでの走りを楽しめるストリートカーが一般的になってきた。社会的背景によりクルマの走行性能がサーキット走行にも対応できるレベルまで高められたことも大きな要因だろう。「サーキットの環境」が「ストリートの環境」に歩み寄ってきたとも言えるのである。ならば今まで別々に考えられてきた「サーキットを走る事」と「ストリートを走る事」をもっと融和させてもいいような気がする。ドラテク皆伝の意味するところは、ドライビングテクニックを伝える事、サーキットスポーツを身近にする事、ドライバーをカッコよくする事である。サーキットを走ることなど考えた事もない方からレーシングドライバーを目指す方まで多くのドライバー達に伝えたい。