2000年12月01日施行

第5条

「ドライビング」はカッコイイものである


ドライバーがギャラリーに見せる走り[ER34スカイライン広報車byドラキン]

[疑問]

 モータースポーツのイメージはカッコよさ。ヘルメットをかぶっているから顔が露出しないし、美しくカラーリングされた速いマシンを巧みにコントロールするレーシングドライバーは憧れの職業のひとつ。足が短くても、背丈がなくても大丈夫。むしろ背丈がない方が一般的には体重が少ないから、モータースポーツでは優位とも言えるのだ。もちろん容姿端麗であれば、さらにイイのだが・・・
 サーキットまでやって来るギャラリーの多くはクルマを見に来てくれるから、速いこと、マシンのカラーリングやスタイリングがカッコよさの基準である。ではそんなマシンを操るレーシングドライバーの立場はどうなるのだろう?

 

[結論]

 多くの腕自慢達は思っている。「オレに貸してみろ。オマエより絶対に速く走れる」とね。この原因は、ドライバーの明確な速さの基準がわかりにくい点にある。たとえF1ドライバーまで上り詰めても、アイルトンセナやアランプロスト、ミハエルシューマッハのように誰もが認めるドライバーは数少ないもの。もっと身近な存在である国内レースの最高峰、全日本選手権レースのフォーミュラニッポンやGT選手権に出場するドライバーでも世間的に一目置かれるドライバー、支持されるドライバーは限られる。やはり原因はわかりにくさ。スポーツに用いる道具が精密かつ難解なレーシングマシンであるために、ドライバーの技術がいかなるものかを理解できない。具体的に表現すれば、ボロボロで遅いマシンに素晴らしい一流ドライバーが乗っても、膨大なコストをかけた最新鋭のマシンに乗る二流ドライバーに負けてしまう場合があるという現実。ドライバーのテクニックを知るためには、ギャラリーが様々なテクニックを体験してみなければならない。しかし現実的にはギャラリーがフォーミュラニッポンのマシンやGTマシンをドライブする機会はありえない。トップカテゴリーで争うマシンをコントロールするドライビングテクニックを知る方法は何かないものか? ドリフトが流行った大きな理由のひとつにテクニックの解り易さがあげられる。誰でも手に入れることができる普通のクルマで誰でも見れば解るドラテクを主張できる。しかもドリフトテクニックはタイムを競うレースでも基本になる重要なテクなのだ。果たして全日本選手権にエントリーしているドライバーのうち何人が完璧かつ美しいドリフトコントロールテクニックをもっているのだろう?

 カッコよさの基準、それはドライバーのテクニックそのもの。レースオーガナイザーやイベントプランナー、時には自動車メーカーの手によって、安全にテクニックを体験する様々な方法が模索され、実行に移されている。「ドライビング」を見るだけの方(多くの場合は女性)は、ドライバーの肩書きや容姿がカッコよさの基準。「ドライビング」を体験した方はドライバーのテクニックこそがカッコよさの基準へと変わってゆくはずである。



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ドラテク皆伝第6条

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