2000年8月8日施行

第1条

サーキット走行経験を持つドライバーの運転免許証を
ゴールド免許よりも偉い、ダイヤモンド免許証とする。


2000年筑波サーキットIPC2000

[事例1]

 ゴールド免許証は5年間無事故・無違反のドライバーに対して交付されるもので、免許証の有効期間が伸び、また軽微な違反が短期間に消えてしまうものである。大学時代の友人Tの彼女Sは免許証を取ってからすでに10年を経過するが、運転免許証を取得してから数回しか運転したことがない。当然ながら彼女の免許証はゴールドである。そんな彼女に先日某サーキットのパドックでハンドルを委ねた時に事件は起こった! オートマチックトランスミッションのRレンジでアクセルを踏むとバックすることを知らなかったSは見事にドイツ製高級スポーツカーにヒット。その後の事はよく知らないが、友人Tは最近クルマが1台になった(BNR34のGT−Rを売却)ためサーキットに姿を見せない。Sとの交際は続いているようだが、先日Tの代わりに駐車違反の反則切符を切られたのはSであることを知った。

[事例2]

 よく晴れた日曜日の朝、埼玉県に住むMは奥さんと長女1人の3人で日本海に向かった。外環自動車道から関越自動車道へと入るルートを選択したMのS15シルビアは快調に和光付近に差しかかった。渋滞表示が出ていたが、気持ちよい高速コーナリングが楽しめるトンネルが続く中、交通量はやけに少ない。法定速度をやや超えるスピードで右コーナーに入った瞬間・・・追い越し車線に渋滞最後尾車を発見! ブレーキでは絶対に間に合わないと判断したMはブレーキングしながら素早く左ドアミラーで後方確認して左にステア。そのまま3車線のいちばん左側走行車線まで車線変更して追突を回避した。放心状態になってしまったというMの奥さんから聞いた話。「私が運転していたら間違いなく追突してました。渋滞表示が出てましたから気をつけてましたけど、あんな状況は全く予想できませんでした。お金かかるし、危ないからと思って主人にサーキット通いやめるように言ってましたけど、今後は一切そんなこと言いません。あそこで追突事故起こすくらいなら、よっぽど安いですよ」ちなみにこの奥さんも免許証取得して以来、年に数回の遠出で、Mが眠くなった時交代で高速道路を運転するだけのゴールド免許の持ち主である。

[解説]

 サーキットを走れば必ず運転は上手くなる。それは限界スピードの体験によるもの。もちろん一般公道でも限界スピードは体験できるが、それは違法行為であるし他人に迷惑をかける可能性が高い。ゴールド免許を持っている人よりもサーキット走行経験を持っている人の方が運転技術を持っている可能性はきわめて高い。もちろんサーキットを走るくらいだからクルマ好きで、ドライビングが好きな人。その人が一般公道でマナーがいいとは限らないが、運転技術とマナーには相関関係があるものだ。スピードを出さない事とともに、事故に遭遇しないための予防運転、緊急時の回避、安全運転への意識などサーキット走行から学べることは数知れない。

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