2001年2月28日施行

第17条

ドライビングセンスの見分け方


スーパー耐久レースピットウォーク

[審査]

「ドライビング」センスの有無を自ら悟って、自分のドライバーとしての才能を見極める方法はないのだろうか? こればかりは走り続けてみなければわからない。電光石化のごとく才能が目覚めるドライバーもいれば、地道に積み上げた結果遅咲きの桜のように花開くドライバーもいる。問題となるのは見極めるための期間ということになる。もちろん才能があろうが、なかろうが「ドライビング」を楽しむことには無関係だし、たとえ才能がなくても身に付けたテクニックは無になってしまうわけではない。日常的にクルマを運転する限り「ドライビング」によって身に付けたものは必ず役に立っているはずだし、時には交通事故のリスクから自らの身を守ることにつながっているかもしれないのだから。それでも客観的に自分の才能を知りたいのは人情だろうから、才能を見極める方法を考えてみた。
 才能あるレーシングドライバーを発掘するために、様々なレーシングチームがドライバーズオーディションを実施している。以前雑誌の企画で「ドライバー甲子園」というドライバーズオーディションを行なったことがある。そのオーディションにおいて、審査員がドライバーの何を見ていたのかが、自分の「ドライビング」の才能を見極めるヒントになるだろう。審査員には様々な人がいて、自身がレーシングドライバーであったり、レーシングチームのマネージャーや監督であったり、時にはスポンサー企業の広報担当者だったりする。これから紹介するのは筆者が審査員を務めた場合にチェックするポイントだ。
 ドライバーをチェックする時に筆者は可能であれば同乗走行を行なうように心がける。それが出来ない場合にはできるだけチェックするドライバーの姿を見られるようにクルマの近くで見るようにする。ドライバーの視線(通常はヘルメットを着用している場合が多いからヘルメットの向きを見ている)を見たいからだ。またコーナリングGとのバランスで首を大きくかしげずに、路面に対してコーナリング中に首が水平を保っていられるかなど。それからステアリングを操作するスピード、特にステアリングの切り込み量と切り込んだあとの戻し方を見る。クルマの姿勢変化にステアリング操作が随時対応できているかをチェックするのだ。同乗できた場合にはペダル操作とシフト操作との連携とシフトアップ・ダウンの時にエンジン回転数を把握して的確なアクセル開度を保てるか、ギヤセレクトごとに常用するエンジン回転数などを細かくチェックする。ペダル操作では、ブレーキング時のペダル踏力と絶対制動力のバランス、コーナリングアプローチの際のブレーキペダルリリースとステアリング操作のタイミング、アクセルペダルのコントロールが丁寧(スイッチのようにオン・オフになっていないか)かどうかをじっくり見ている。いろいろと難しい注文だが、これらが「ドライビング」においていかなる役割を果たすものであるか、この後に徐々に具体化してゆこう。



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