2001年5月11日施行
第24条
ブレーキングしない方が安全?
こんな時にブレーキ強く踏んだり、アクセル全開にしたら無事コース復帰する事はできない
まずは第23条での解答。A地点からD地点の間で、タイヤが完全にグリップを失っているのはC地点からD地点の区間。わかるよね? フロントタイヤにはステアリングと連動してクルマを曲げる機能がある。フロントタイヤがグリップを失った時にステアリングは全くきかない状態。つまり右に切っても、左に切ってもクルマはまっすぐ進んでゆく。急にフロントタイヤがグリップを回復したとしたら、その瞬間にクルマはステアリングを切っている方向に曲がって行くか、リヤタイヤのグリップ状態によってはいきなりスピンすることにもなる。ドライビング中に突然タイヤグリップが失われるような状況に遭遇したら、ステアリングはしっかり握って余計に切り込んではいけない。今説明している状況がストレートならば、ステアリングをできるだけ真っ直ぐに保つこと。コーナー途中だったら、強く制動するブレーキングをしてはいけない。わかるかな? 雪道でも一緒だね。 ブレーキを踏みたいのは人情だけど、ここまで読んでみて「ブレーキングしない方がよさそうだ」と考えた方には、さらなる面倒な話をもうひとつ。有効なエンブレの使い方。難しく言えば有効なトラクションのかけ方となって、後の連載に出てくる。この先がんばって読みつづける意欲のある方には充分予習になるね。もちろん熟練ドライバーさんや雪国ドライバーさんは読み飛ばしてもらって構わないので。 グリップの低い雪道やダート路面で発進するときのことを考えてみて欲しい。エンジン回転数を上げてクラッチミートしたらどうなるか想像してみよう。タイヤが空転してしまって、クルマは簡単には前に進まないね。これはアクセル開度が大きすぎるから。アイドリング状態はアクセル開度ゼロなので、そこから一気にアクセル開けるとエンジン回転が上がり過ぎてしまうわけ。そんな時はじわじわとアクセル開けるのが基本中の基本。そうすればタイヤの空転は最小限に抑えられる。ではグリップの低い路面で減速するときはどうだろう? アクセル抜けばエンブレがきくけど、一番強烈にエンブレきかせたい時は低いギヤで一気にアクセル抜けばいい。これって一気に加速したい時の正反対だね。だとすればエンブレを最も緩やかにきかせたい時はアクセルを緩やかに抜けばいいのはわかるでしょ。グリップの低い路面ではいきなりアクセル離すと都合が悪そうな気がしてきたかな? ならば唐突にブレーキ踏むのは、滑る路面でいきなりアクセル全開するに等しいから、非常にマズイわけだよね。 |